素麺を落とした。
乾麺タイプの。
買物して袋一杯に商品を詰めた後、上に素麺を乗せたのがいけなかった。どこかで袋から溢れて落ちたっぽい。
試される大地の長い冬も終わり、5月中旬にやっと桜も咲いたし、よーしゃ夏を先取って茄子と一緒に素麺でも食べるかー!
と先取った罰かな。
先取りすぎたかな。
先取ったらだめなのかな?
そんなに悪い事なのかな?
ムカつ・・・悲しくなってきた。これみがよしに「小さな秋」でも歌いながら庭で焼き芋でも焼いてやろうか。だめだ落ち葉が無い。
移動しまくったからどこで落としたのか見当がつかないし、困った。
あ!もしかしたら帰宅して車から荷物降ろす時に落としたのかも!と思って車まわりを捜索する。深夜0時。見つからない。
5月とはいえつい先日も、近くの山の山頂に雪が積もって交通規制が敷かれた寒さ。
この寒空の下、どこかで素麺が震えている。
人生で最高潮に素麺の事で頭がいっぱいになる。
唐突に「炭水化物欲の申し子」って単語が頭に浮かぶ。
なにそれ!そんなんじゃないし!
素麺ー!出ておいで!茹でたりなんかしないから!素麺ー!(本日98円)素麺ー!(特売品)
深夜の庭先で素麺への想いをありったけに叫ぶ、近所迷惑の申し子。
だけど愚かなポンチョは、その時気づきませんでした。
乾麺の素麺は茹でられた後が本来の姿だから、茹でてあげるから出ておいで、の声掛けが正解だったのです。
そのせいか素麺は出てきませんでした。悲しい。
夜が明けたら、どこかの路上で、冷え切った可哀想な素麺が誰かに目撃されるんだなー・・・
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